00 防災野郎って誰？

　連載コラム「防災野郎の中身」へようこそ。このコラムでは防災について、防災とドローンの関わりについて読者の皆さんと考えていきます。業務として防災に関与されている方々へは、防災×ドローンの可能性をアイデアとして提供できることを、また、ドローンパイロットの方々へは、発災時に活動する際に必要な基本をお伝えできることを目標としています。

　ご案内は、国士舘大学防災・救急救助総合研究所嘱託研究員の佐伯潤です。筆者は、防災教育の専門家として様々な企業の防災顧問を務め、また、複合施設やターミナル駅、空港などでの教育訓練の開発、指導を手掛けてきました。さらに具体的に言えば、発災してからの72時間、医療の世界では超急性期と呼ばれる時間帯に、いかに生き延びるか、命をつなぐか、という点に特化したテーマを取り扱っています。
　職業柄というより、職業病なのか、枕元には2分で着替えられるように着衣順に着替えを積み上げ、ブーツにヘルメット、さらにはバールや手斧も用意してあります。日中は、いつも大きなバックパックを背負っています。「一体そのかばんに何が入っているんだよ」とよく聞かれます。そこには水、食糧のほか、照明器具や医療器具など、いつ災害が発生してもいいように様々な資機材がつまっているんですけどね。そんな防災野郎のバックパックのみならず、頭の中身を広げていって、皆さんと一緒に防災について考えていこう、というのがこのコラムの狙いです。
　各トピックでは災害対応に必要な様々な知見について、基礎的な知識をご案内してまいります。更には、各トピックでご案内した知見を、日常生活に取り込むための実践のアイデアを付け加えています。訓練に勝る防災はありません。大上段に構えた大げさな防災訓練ばかりでなくても、毎日のちょっとした行動の工夫が、災害時の行動のレベルアップにつながればと願っています。

国士舘大学 防災・救急救助総合研究所 嘱託研究員　　　 　
公益社団法人 東京都理学療法士協会 スポーツ局 外部委員　
佐伯 潤